POGで指名した馬が、期間終了後に活躍することってありますよね。そういう時ってちょっとだけ悔しくて、でも大半は嬉しくて…何とも言えない複雑な気持ちになるんですよね。まあ、どちらかといえばプラス方向の気持ちではあるんですけどね。
スピルバーグは、POG本で見た瞬間にひと目惚れした馬でした。4速・5速ギアだけで勝ったような新馬戦に始まり、共同通信杯や毎日杯での好走、そして鮮やかに決めたプリンシパルSと、POG期間内でも十分に結果を残してくれた馬でした。ただダービーでは何もできないままに惨敗してしまい、その印象が強すぎたせいか、POG期間中は『活躍した喜び』よりも『負けた悔しさ』の方が心に残った馬でした。
ダービー後は長い休養に入り、復帰は4歳になってからでした。夏の北海道でひと叩きをして迎えた秋の府中。そこから翌年の春まで休養を挟みながらの3連勝。その勢いで挑戦した毎日王冠。スピルバーグにとっては短いながらも確かなピークがそこにはあって、その頂点となったのが天皇賞(秋)だったと思います。イスラボニータ、ジェンティルドンナ、エピファネイア、フェノーメノetc、錚々たるメンバーが相手とあって、評価は5番人気の伏兵に過ぎませんでした。しかし、レースでは直線一気の末脚を炸裂させて、見事なGⅠ制覇を成し遂げてくれました。POG期間はとっくに過ぎてしまっていたけど、その後も応援し続けてきたことが報われた瞬間でもありました。
確かこの年の秋って『重賞未勝利馬によるGⅠ制覇』が続いていて、ひとつのキーワードのようになっていたんですよね。そうした波に乗っての勝利でもあったんだろうけど、続くジャパンCでも3着に好走して、それがけしてフロックではないことを証明してくれました。
父にディープインパクトを持つ種牡馬もかなり増えてきて、飽和状態なところもあるんだろうと思います。そんな中でも、スピルバーグにはなんとか活躍馬を輩出してもらって、厳しい戦いを生き残ってほしいです。そしていつか、父スピルバーグの産駒に出資できたら…なんて思います。シルクさんで募集されないかなぁ。