POG記事の第5弾は今シーズン産駒がデビューする新種牡馬編です。未知数な中から当たりを引けた時の達成感はなかなかのものですよね。今年はダート向きの種牡馬も多くいますし、照準をどこに合わせるかで選び方も変わってきそうです。
【サートゥルナーリア産駒】
ジェゼロ
・母/ラルケット
・母の父/ファルブラヴ
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牡、毛色/青鹿毛、生/2月10日
4代母スイートコンコルドが皇帝シンボリルドルフの全姉で、日本で50年以上続く歴史と伝統の牝系です。半兄にマイルCS勝ちのステルヴィオ、半姉にNHKマイルC2着のウンブライルなどがいて勢いも十分です。母の産駒はみな馬っぷりが良くて、この馬も馬体重以上に大きく見せます。青鹿毛で皮膚が薄く、毛ヅヤも良好。健康状態が掴みやすいタイプかも。兄姉同様マイルから中距離の適性が高く、春のクラシック路線はピッタリ。早期デビューが見込めるのも◎です。
ブルーミングローズ
・母/ローザブランカ
・母の父/クロフネ
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牝、毛色/栗毛、生/2月23日
4代母ローザネイから広がり続ける薔薇一族。その中でも特に活気に溢れているのが【ローズバド→ローザブランカ】の母系です。半姉には2019年の秋華賞など重賞3勝のスタニングローズがいます。またキングカメハメハとの相性の良さでも知られていて、同馬を祖父に持つ父との組み合わせも興味深いところです。栗毛のきれいな馬体に凛とした佇まいは雰囲気良さげ。サイズも中型でちょうどよい感じ。頓挫があった分デビューは遅めかもしれないので、様子見できるPOGなら。
エーデルヴェーグ
・母/インナーアージ
・母の父/ディープインパクト
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牝、毛色/鹿毛、生/2月9日
叔母にGⅠ2勝のミッキークイーン、従姉のミッキーゴージャス、従兄のエピファニーは今年の重賞勝ち馬、そして半姉には昨年のエ女王杯勝ち馬ブレイディヴェーグと、活力に溢れる母系です。交配相手によって産駒の個性が変わるのも特徴で、この父ならマイル〜中距離を主戦場にするイメージかな。小柄で幼さも残る馬体ですが、裏を返せばそれだけ伸びしろが大きいってことでもあります。頓挫があった分デビューは早くなさそうですが、ポテンシャルにかけてみるのもありかも。
【ルヴァンスレーヴ産駒】
バルジール
・母/ソロダンサー
・母の父/ゴールドアリュール
・生産/安平 追分ファーム
・性/牡、毛色/鹿毛、生/5月8日
近親に交流重賞5勝のグラッブユアハートがいるようにダート色の強い母系で、母も全3勝がダート。繁殖入り後もダート向きの種牡馬との交配を重ねていて、初仔のスクーバーもダートで3勝。本馬の意図もはっきりしていて、狙い通りデビュー時には500kgを超えてきそうな大型馬に育っています。筋肉量も豊富なのでいずれは短距離にシフトしそうですが、3歳のうちなら中距離までこなしてくれても。地方や海外の競馬もポイント対象のルールなら狙ってみたい1頭です。
キミオモウハナ
・母/サツマキリコ
・母の父/エンパイアメーカー
・生産/千歳 社台ファーム
・性/牝、毛色/鹿毛、生/3月1日
・所属/栗東 杉山佳明厩舎
曾祖母のミルレーサーから一気に広がった母系で、祖母のミルフィオリの全兄にフジキセキがいます。母は南関東で5勝を挙げた後に繁殖入り。やや地味な印象も受けますが、初仔となる本馬が社台サラブレッドクラブで募集されてるあたり、期待されてる繁殖なんだと思います。500kg近い馬体を誇り、言われなければ牝馬とは思わないくらい迫力があります。背腰に甘さが残るので体質面が鍵になりそうだけど、順調にいけば夏にはデビューできそう。狙いはもちろんダートです。
ファーストチェアの22
・母/ファーストチェア
・母の父/ジャングルポケット
・生産/新冠 村田牧場
・性/牝、毛色/鹿毛、生/2月4日
4代母からはヒシアマゾンやスリープレスナイト、曾祖母からはエフフォーリア、祖母からはアドマイヤムーンと各世代から名馬を輩出している優秀な牝系です。母は祖母が唯一残した繁殖で、本馬が12番仔。ちょっと気になるところですが晩年になってからエルムS勝ちのフルデプスリーダー、京成杯2着ロジハービンと重賞級の産駒を輩出していますし心配ないかな。父の産駒のわりにダート専用という感じでもなく、芝にも対応できそう。サイズ感もちょうど良さげです。
【フィエールマン産駒】
ダノンセンチュリー
・母/シャンブルドット
・母の父/Lope de Vega
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牡、毛色/鹿毛、生/3月12日
伯母イルーシヴウェーヴは仏1000ギニー勝ち。2016年セレクトセールで3億超のサトノソロモン、2017年セレクトセールで6億超のアドマイヤビルゴの母としても有名です。母は体質が弱くわずか1戦で引退。初仔のベルシャンブル(現役)が2勝を挙げ、繁殖としては順調なスタートを切っています。本馬は3番仔で、2022年セレクトセールで2億3100万円で落札されています。やや小柄ですがバランスが取れているので非力感はないし父譲りのバネがありそう。調整も順調みたい。
リリカルガンマン
・母/サンタフェチーフ
・母の父/Wiesenpfad
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牝、毛色/鹿毛、生/3月9日
曾祖母からはシュネルマイスター、祖母からはサラキア、サリオス姉弟と、最近の活躍馬が多数出ている旬な母系です。スパイス的な役割として有効な血(Mark of EsteemやTiger Hill)を豊富に内包する母は、繁殖としての期待値も高いと思います。様々なタイプの種牡馬と合いそうです。スラッと伸びた脚に無駄肉の少ない馬体から、芝の中長距離に適性を感じます。桜花賞よりもオークス向きかな。聡明な顔つきはセンスの良さを想起させます。父を手がけた手塚厩舎なのも好印象。
【アドマイヤマーズ産駒】
・母/ベルスリーブ
・母の父/シンボリクリスエス
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牡、毛色/鹿毛、生/1月27日
近親に安田記念勝ちのハートレイク、ちょっと遠いですが今年のフェブラリーS勝ち馬ペプチドナイルも同じファミリーです。半兄には京都2歳S勝ちのベルラップ。ダイワメジャー産駒の半兄メジャースケールは期待されながらも未出走引退となっていますので、本馬でリベンジなるか注目です。バランスの取れた好馬体の持ち主で、中距離までは保ちそうに見えます。登坂の様子も力強いです。この馬主さんと厩舎の組み合わせはハーパーやフィデルなど好相性なのも『◎』
【ゴールドドリーム産駒】
グランジョルノ
・母/ヴィータアレグリア
・母の父/ネオユニヴァース
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牡、毛色/栗毛、生/4月2日
母は交流重賞マリーンC勝ち。どちらかといえば早熟な母系でありながら、引退時期の6歳春まで渋い成長力を見せてくれた馬でした。個人的には11番人気で初勝利を挙げた時、ライヴ観戦で2勝目を挙げた時と2回も3連単を当てさせてもらった恩があるので、繁殖としても成功してほしいなって思います。栗毛で金髪まじりのたてがみも綺麗。厚みを感じる馬体は力強いですし、パッと見で良い馬だなって思いました。5番仔にして初の大物誕生なるか、注目です。
【タワーオブロンドン産駒】
プンタインアルト
・母/アドニータ
・母の父/シングスピール
・生産/日高 ダーレー・ジャパン・ファーム
・性/牝、毛色/栗毛、生/3月24日
・所属/栗東 小林真也厩舎
豪GⅠ3勝のHelmet、英ダービー馬Adayarなど世界中で活躍馬が出ている母系で、姪には今年のオーシャンSで3着に入ったバースクライがいます。この父と母父ですから、ダーレーとしてはぜひとも成功してほしい配合でしょうね。牝馬ながら馬体重は500kgをはるかに超える大型馬。当然脚元への不安はありますが、低重心で力強い四肢をしているのである程度リスクは抑えられるんじゃないかな。将来的には短距離特化型になりそうだけど、3歳のうちならマイルでも。