2010年、2011年のエリザベス女王杯を連覇したスノーフェアリー。1頭だけ次元が違う、他の馬が止まって見える…などなど、どんな言葉をもってしても足りない、強烈なインパクトを残してくれた馬でした。なんというかレースそのものが完成された芸術品のようで本当に強く、美しい勝利でした。
ジャパンCが日本馬の独壇場となり、宝塚記念でGⅠ制覇したばかりのナカヤマフェスタが凱旋門賞で2着になるなど、なんとなく世界と日本の競馬の差が感じられなくなっていた当時、スノーフェアリーが日本馬を子ども扱いにする様を見て『海外にはこんな化け物がいたんだ』と思い知らされた気がしました。世界レベルに追いついた、なんてイチ競馬ファンの感覚がいかに安易なものであるか、気がつかされたというか。同時に世界トップレベルの馬が日本に来てくれる、そのことへの感謝の思いみたいなものもありましたね。
スノーフェアリーの強さを思う時、なぜかそんな日本の競馬の立ち位置というか、そういったものも考えちゃうんですよね。香港やブリダーズC、ドバイWCへの挑戦ももちろんドキドキわくわくでいいのですが、かつてのジャパンCのように世界の強豪が日本に集結する、そんなシーンも見てみたいですね。