というわけで今年デビューの新種牡馬から、気になる馬をピックアップしていきたいと思います。まずは初年度から200頭以上の産駒を送り込むドゥラメンテからです。ガーサントに始まりノーザンテースト、トニービン、サンデーサイレンス、キングカメハメハ。その時代のトップ種牡馬が積み重ねられてきた血統表を見るだけで、日本競馬の歴史の重みを感じてしまいます。
① オリノコ
・母/プロヴィナージュ
・母の父/フレンチデピュティ
・生産/千歳 社台ファーム
・性/牡、毛色/黒鹿毛、生/3月30日
関東オークス2着、秋華賞3着と芝・ダート問わずに活躍した母の初仔です。19年セレクトセールで金子真人氏が約6,500万円で落札しています。個人所有なので情報が少ないのはネックかな。血統的には『サンデーサイレンスの 3×3』がポイントです。ドゥラメンテにとって発生確率が高いインブリードだけに、このクロスの成功が不可欠になると思います。
② スワーヴエルメ
・母/アイムユアーズ
・母の父/ファルブラヴ
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牡、毛色/栗毛、生/1月30日
重賞4勝を挙げた名牝の3番仔になります。上の2頭は未勝利(引退→種牡馬)と1勝クラス(20/5/14現在)ですが、素質は感じさせました。立ち姿が美しく、雰囲気は同産駒の中でも1、2を争うと思います。『ダイナカールの 4×4』という珍しいクロスを始め、インブリードが多く発生しているので、体質面が心配かな。なので堀厩舎はいいと思います。
③ テネラメンテ
・母/スターアイル
・母の父/ロックオブジブラルタル
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牝、毛色/鹿毛、生/4月30日
・所属/美浦 木村哲也厩舎
半兄ミッキーアイルはマイルGⅠを2勝しています。スピード色豊かな母系だから短距離向きかな?でも体型から中距離までいけそうかも…って感じです。この血統だけに、気性面がどう出るかはやっぱり気になるところです。見た感じ、仕上がりは早そうな感じがします。実際、もうゲート試験を合格していますし、デビューも遠くないんじゃないかな。
④ リバースレー
・母/モシーン
・母の父/Fastnet Rock
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牝、毛色/黒鹿毛、生/4月22日
母は豪🇦🇺GⅠ4勝を挙げ、繁殖としてもプリモシーンを輩出している名牝です。シルクさんではお馴染みの血統ですね。母系にデインヒル、Nureyevが入る構成は③のテネラメンテと一緒ですね。現在はしがらきで調整中で、入厩の声がかかるのを待っている状態。順調ですね。短距離戦に実績を残す安田厩舎でどんな馬に育つのか、楽しみな1頭です。
⑤ リエヴェメンテ
・母/ヒルダズパッション
・母の父/Canadian Frontier
・生産/安平 ノーザンファーム
・性/牝、毛色/鹿毛、生/1月28日
こちらはキャロットさんお馴染みの血統ですね。米🇺🇸GⅠの勝ち馬で、繁殖としても米🇺🇸GⅠ2勝のヨシダ(牡/父/ハーツクライ)、今年のシンザン記念を勝ったサンクテュエール(牝/父/ディープインパクト)と成績優秀です。サンデー直系以外の仔は当馬が初めて。どんな特徴が出てくるのか楽しみです。お姉さんより長めの距離に適性がありそうです。
⑥ ギャリエノワール
・母/ブランネージュ
・母の父/シンボリクリスエス
・生産/安平 追分ファーム
・性/牡、毛色/青鹿毛、生/2月4日
母はフローラS2着馬です。レイデオロで成功した『父/キングカメハメハ × 母父/シンボリクリスエス』の組み合わせ。当馬は父をキングカメハメハ産駒に変えたパターンです。これにより『ミスプロの3×4』から『サンデーサイレンスの3×4』となって、それがどう出るかがポイントですね。パワー&スピード兼備のバランス型に見えます。
⑦ マクシミリアン
・母/ピュアウィッシーズ
・母の父/Manduro
・生産/日高 奥山牧場
・性/牡、毛色/栗毛、生/3月17日
・所属/栗東 奥村豊厩舎
母はシルクさん所属で未勝利でしたが、母系にはバゴ、Machiavellianなどがいる世界的な名血で、繁殖としては大きな可能性を秘めていそうです。どっしりと構えた姿は、他のドゥラメンテ産駒にはあまり見られない特徴だと思います。それが吉と出るか凶と出るか、ですね。三振かホームランか、両極端なタイプかもしれません。