from1987

一口馬主やPOG、レース予想など競馬の話題を中心に、自由気ままに綴ります。なお、一口馬主関連の記事はシルクホースクラブのHPに掲載されている情報であり、転載の許可を得ています。

ホープフルSといえば…番外編

ホープフルSはGⅠ昇格して間もないので、今回は番外編というか、ちょっと思うところをつらつらと書いていきたいと思います。

先日行われた阪神JF。過去の勝ち馬にゴールドシチーサッカーボーイの名があるように、昔は阪神3歳Sの名で行われた牡牝混合のレースでした。そこから阪神3歳牝馬Sを経て現在の阪神JFになったわけですが、牝馬限定になってからもう30年近くになるんですよね。時が経つのは早いです。

以前は同じようなGⅠレースが同じ日に東西で行われていたのだから、当然有力馬も分散して少頭数が当たり前。馬券的な妙味が薄かったりレースレベルに疑問符がついたり、いろいろ課題があったんですよね。で、改革を断行したわけで。最初は違和感がありましたが『東と西』から『牡と牝』に分けたこの判断は結果的に正解でした。牡馬は朝日杯FS牝馬阪神JFと住み分けが進み、出走頭数の増加やレースレベルの向上に繋がりました。また、その先の路線も含めた牡牝それぞれのレース体系が整ったという意味でも、意義のある変更だったと思います。まさに英断です。
対して最近の変更点はというと、重賞・GⅠレース数の増加、有馬記念後のGⅠ開催、降級制度の廃止…などには正直ポリシーが感じられないんですよね。格上げや新規増設による売上アップが主眼で、目先の利益のことしか考えていないように思えてしまいます。オープンクラス以上の出走頭数を増やしたい気持ちもわからなくはないのですが、GⅠにはGⅠ、重賞には重賞の格というものがあると思うんですよね。その格に見合ったレースレベルを維持できるのか、ちょっと疑問です。重賞を増やすこと自体を否定してるわけではないんです。でも同時に求められてくるのは密度です。それをどのようにして濃くしていくのか、その具体策が見えてこないのが不安なんですよね。出走頭数が増えたことで、そこが薄まってしまうようでは本末転倒のような気がします。
特に2歳重賞の増加は、春のクラシック戦線に与える影響も大きくなるだけに、その心配が強くなります。現在の仕組みでは500万を勝ち上がってきた馬より、1勝+重賞2着馬の方が本賞金が上になります。重賞が増えれば、そういう馬も増えてくると思うんですよね。これってけっこうな弊害になるんじゃないのかな。ケガでデビューが遅れたり、そもそもが晩成型の馬には明らかに不利です。本賞金の低い馬にとって、トライアルでの優先権獲得がより重要度を増してくることになりそうです。それにしたって2勝馬はともかく1勝馬ともなると、トライアルにすら出走できない可能性が以前よりも高まってしまうと思います。それでも、重賞としてのレベルが保たれているのならまだ納得できるでしょうが、危惧したようなレベルの低下があったとしたら…。ダイワメジャーのような1勝馬によるクラシック制覇、なんてのは稀なのかもしれませんし、全ての1勝+重賞2着馬を疑っているわけでもありません。でも中にはレベルに疑問符がつく重賞2着馬も出てくるでしょう。その頭数が増えて、実力のある2勝馬より優先される、これは極力避けてほしい事態です。ちょっと言葉が過ぎるのかな。
で、今年のホープフルS。こんなことを書いておいてなんですが、サートゥルナーリアを始めにニシノデイジー・ヴァンドギャルド・アドマイヤジャスタ・ブレイキングドーンなどの評判馬が出走を予定していて、GⅠらしいGⅠになってくれそうな期待感があります。願わくば的外れな見解だった、GⅠに昇格して正解だったと思わせるようなハイレベルな戦いになってほしいと思います。そしてそれがたまたまではなく、レベルアップのための不断の努力の上に成り立っているものであったなら最高です。
どの馬、本命にしようかな?