春の天皇賞といえば…パッと浮かんだのは1995年、ライスシャワーが復活を遂げた天皇賞です。と同時に「ステージチャンプがGⅠタイトルを逃した天皇賞」としても記憶に残っています。どちらかといえばこっちの印象の方が強いかな。
良血として期待されていたステージチャンプは、素質は感じるものの詰めが甘く、なかなか勝ちきれない馬でした。
菊花賞ではビワハヤヒデ、ウイニングチケットの2強に割って入って2着。でもビワハヤヒデの強さの前に霞んでしまいました。そして天皇賞(春)では、外から「本当にステージチャンプ?」と思うような末脚を見せたものの、わずかに及ばず2着。今度はライスシャワー復活の引き立て役となってしまいました。名前とはうらはらに、なかなか主役になれない。そのもどかしさが愛らしく、ずっと追いかけていました。何とかGⅠタイトルを獲ってほしい、そこに一番近づいたのが天皇賞(春)だったと思います。もし勝っていたら、ステージチャンプのその後も変わっていたかもしれません。
一方でドラマを生んだライスシャワー。こちらはというと、ダービーでマヤノペトリュースを応援していた時、天皇賞(春)でメジロマックイーンを応援していた時、そしてステージチャンプの天皇賞(春)。そのすべてに立ちはだかったのがライスシャワーでした。もう当時の自分にとって敵役以外の何者でもなかったですね。でも…いや、だからかな、宝塚記念で悲劇に見舞われた時は、何か申し訳ない気持ちになったのを覚えています。「嫌ってゴメン」的な感じで。現役時代は好きじゃなかったのに、時が経ってから好きになった馬です。こういう個性派って、そうはいないですよね。